Satom021219  「地方自治論」レポート

「学生による宇都宮のまちづくりの現状と課題 〜イエローフィッシュを例として〜 」  k010122 佐藤麻衣子 

 

@     背景  宇都宮市が抱える問題、まちづくりの動機について

近年、宇都宮市の中心市街地(オリオン・ユニオン通り、県庁・市役所、二荒山神社、JR宇都宮駅西大通り・東武宇都宮駅周辺)では、空き店舗が増え、人の往来もそこに住む人も減少し、活気がなくなってきている。その原因としては、モータリゼーションの進展や中心市街地の地価高騰に伴い、大型店舗や人口が郊外へ転出したことが考えられる。また、使いやすい駐車場が少ないことや交通の便が悪いことも、中心市街地の空洞化に影響しているだろう。

   そこで、中心市街地に賑わいと活気を取り戻し、より住みやすく魅力のある街をつくるために、「宇都宮まちづくり推進機構」が設立された。この機構は、公共と民間のコーディネーターとしての役割を担っている。また、市民が主体となったまちづくりの実践の場でもある。

 

 

A     まちづくり交流センター、「イエローフィッシュ」について 

   まちづくり交流センター、「イエローフィッシュ」は、「宇都宮まちづくり推進機構」賑わいづくり部会の事業の一つである。オリオン通り沿いにあるガレージを改装し、学生が主体となる活動の拠点として、平成145月にオープンした。愛称の「イエローフィッシュ」という名は、宇都宮の郷土玩具の黄鮒に由来している。

 

目的)・宇都宮市内の大学・短大の保有する資源をまちづくりに活用する。

  ・若者の視点からまちづくりを考え、調査・研究を行う。その発表により、人々を啓蒙し、地域に情報を発信する。

     老若男女を問わず市民、商店街、学生たちの交流の場とする。

  

  これまでの活動内容)・オープニングセレモニー、ディスカッション

・宮まつりに休憩所兼カフェとして参加

・宮の市で餃子を販売

・タウン情報誌「MONMIYA」での執筆活動

・「黄ぶな通信」の発行

        ・オリオン通りや釜川の清掃

        ・穴場店を紹介する「釜川マップ」の作成

・黄ぶな塾の開催

・センターの開放  

 

  企画案)・まちづくりに関する調査、研究

・中心商店街との連携をするための企画

      ・市民との意見交換をするための企画

・様々な団体との交流に関する企画

 

B     課題、問題点と改善点

     各イベントに流されがち。 → 自分たちが主催のイベントを。

     学業優先なので、平日の昼間はイエローフィッシュを開放できない。土日だけの開放で十分だろうか。

     商店街は「イエローフィッシュ」に期待はしているが、あまり協力的ではない。むしろ保守的。例えば、オリオン通りにあるアパレル用品店から衣服を持ち寄り、ファッションショーを開催しようとしたが、衣服が汚れることを懸念した店主側の反対に遭い、挫折。周囲の協力なしには活動が円滑に進まないので、それをどうしたら得られるのかを考えなければならない。

     イエローフィッシュには自転車置き場どころか、駐車場さえない。近くに駐車場があるが、有料である。このような不便な場所に、本当に学生や市民は集まるのだろうか。

・メンバーが固定してきている。 → メンバーの増員をはかる。新しいメンバーの新しい考えを。

       「学生」だけにこだわる必要はない。若者の斬新なアイディアを重要視するならば、学生だけではなく、若い社会人もメンバーに取り込むべきだ。学生側からの視点プラス社会人側からの視点で、まちづくりを考えてみてはどうか。

  ・祭りに参加したり、雑誌や新聞で広報をしたりしても、イエローフィッシュの知名度はまだまだ低い。そこで、各大学・短大のメンバーがサークルを立ち上げる。例えば「イエローフィッシュ宇都宮大学支部」のようなサークルを作れば、勧誘や広報もしやすくなる。 

  

   イエローフィッシュの1年目は、組織の基盤作りや存在をアピールすることにエネルギーを費やしていた。来年度、2年目こそが正念場となるだろう。

 

     参考